ディスプレイ広告は掲載方法がさまざまあり、運用が難しい広告です。しかし、
「ディスプレイ広告に関する業務を任されたが全くわからない」
「ディスプレイ広告を活用できないか検討しているが本当に使うべきかわからない」
ディスプレイ広告に関して、このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、ディスプレイ広告の運用初心者向けに、ディスプレイ広告の基礎知識やメリット・デメリット、運用方法を解説します。
当記事を読めば、ディスプレイ広告運用初心者でもディスプレイ広告を活用するべきかどうかがわかり、実際の運用の方法まで理解できます。
また、SNSマーケティングの包括的な詳しいやり方は「SNSマーケティング戦略決定版!4ステップループが運用成功の鍵」をご覧ください。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ等の広告枠に表示される広告です。バナーで表示されることが多いため、別名バナー広告とも呼ばれています。
WebサイトやSNSアプリの中でディスプレイ広告は、動画や画像で視覚的に訴える広告として登場します。動画や画像の広告をみなさんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。まさにそれがディスプレイ広告です。
ディスプレイ広告の最大の強みは、リターゲティングができる点です。リターゲティングとは、一度興味を持った人にもう一度広告表示をする手法です。自社のWebサイトに訪問した人の行動を追跡して、別のサイトで自社の広告を流します。
ディスプレイ広告とリスティング広告
ディスプレイ広告と混同されやすいのが、リスティング広告です。リスティング広告とは、Google検索をした時の一番上に「広告」とついた状態で表示されるページのことです。ディスプレイ広告、リスティング広告と代表的な広告形態の2つですが、違いがわかりにくく「どちらを活用すればよいかわからない」という方が多いのではないかと思います。
そんな皆様に、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いをわかりやすく解説します。
2つの広告の主な違いは以下の通りです。
広告 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
---|---|---|
表示方法、クリエイティブ | テキスト | (テキスト)画像、動画 |
広告の場所、表示場所 | 検索画面 | 検索画面、SNS、アプリ |
ターゲット層 | 検索した人のみ(顕在層) | 興味関心が高い人から興味の薄い人まで(潜在層) |
2つの広告には、表の通り3つの違いがあります。
- 表現方法の違い
- 表示される場所
- 広告が表示される対象
この3つの観点から、2つの広告の違いを詳しく見ていきましょう。
1. 表現方法の違い
ディスプレイ広告とリスティング広告では、文章、画像、動画などの見せ方が違います。ディスプレイ広告はテキストだけでなく、画像や動画を用いて宣伝が可能です。一方でリスティング広告は、文字のみで商品やサービスを宣伝します。
ディスプレイ広告は画像や動画を用いて表現できるので、テキストだけではわかりにくいものもわかりやすくアピールできます。
2.表示される場所
次に違う点は、広告の表示される場所です。ディスプレイ広告は、さまざまなアプリやWebサイトの広告枠で表示されます。ゲームやサイトの閲覧中に、広告を見たことがあるのではないでしょうか。
一方でリスティング広告は、GoogleやYahooに代表される検索エンジンの検索結果に表示されます。検索結果の上部や下部に設置されています。
3.広告が表示される対象
3つ目の違いは、広告が表示されるターゲット層です。
リスティング広告は、検索をかけた画面に表示されます。検索をするユーザーは、検索内容・キーワードに対して興味関心を持っているからこそ検索しています。そのため、興味やニーズが顕在化したユーザーにアプローチできることがリスティング広告の一番の強みです。「家電 安い」と検索しているユーザーに対して、激安家電の広告が掲載されていれば興味を持ちますよね。
一方でディスプレイ広告は、まだ悩みにはっきりと気づいていない人、つまり潜在層に向けて、広告を表示します。ユーザーの興味を引きやすい画像やビジュアルを使うことで、「購入してみたい」や「使ってみたい」のような欲求を引き出して購入に結びつけるのです。一見するとリスティング広告の方が圧倒的な効果がありそうですが、実はそうでもありません。後述するメリットをぜひご確認ください。
ディスプレイ広告の種類
ここまでディスプレイ広告をリスティング広告と比較しながら紹介しました。次はディスプレイ広告の2種類を紹介します。広告を掲載するのはGoogleとYahooが代表的であることはみなさんご存知だと思います。しかし、この使い分けまではしっかりと把握できている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、
- Googleディスプレイネットワーク
- Yahoo!ディスプレイアドネットワーク
2つの広告の使い方や特徴をご紹介します。
では、それぞれの広告を確認しましょう。
Googleディスプレイネットワーク
1つ目は、Googleに関係するWebサイトへ広告を表示させるネットワークです。自社のサービスはなく、提携先のサイトやアプリで広告が利用されています。具体例としては以下のサイトが挙げられます。
- YouTube
- アメブロ
- ライブドアブログ
- 教えてgoo
- 食べログ
- ピクシブ
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク
2つ目はYahooに関係するWebサイトへ広告を表示させるネットワークです。Googleと違い、Yahooと連携しているサイトや自社のサービスにも広告表示が可能です。配信先としては、下記のサイトが挙げられます。
- Yahooニュース
- Yahooメール
- LINE
- 朝日新聞
- 教えてgoo
- 食べログ
ディスプレイ広告の費用
ディスプレイ広告の概要やGoogleとYahooの掲載場所2種類の使い分けも理解したところで、ここからは実際に掲載する際の費用を確認していきましょう。
ディスプレイ広告の費用は、大きく分けて3つの課金体系にわかれています。
- クリック課金
- インプレッション課金
クリック課金
クリック課金は、広告がクリックされるたびに費用が発生する課金タイプです。広告への関心が高いクリックしたユーザーにのみ課金されるので、費用対効果が高くなりやすいです。サービスや商品の制約を目的としている際は、このタイプを選ぶのが良いでしょう。
クリック単価はオークション形式で決定します。オークション形式とは、
入札金額×広告ランク(広告媒体側の自社広告への評価)
で掲載する広告を決めるシステムです。この部分は、後述の「ディスプレイ広告の出し方」で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
クリック課金の予算は、1クリックあたり、50~100円と計算しましょう。
インプレッション課金
インプレッション課金は、文字通りインプレッション(広告表示)に対して課金が発生します。クリック率が高いほど単価が安くなるので、クリック率が高い広告はインプレッション課金に切り替えた方が費用が安くすむ場合があります。
インプレッション課金は1,000回表示で課金されます。相場は1,000回表示で数十円~数百円と幅を持った費用計算となります。
ディスプレイ広告のメリット4選
ここからはディスプレイ広告のメリットをリスティング広告と比較しながら解説します。代表的なメリットとして、以下の4つがあります。
- クリック単価が低い
- 目的によって使い分けられる
- 詳細なターゲティングが可能
- 目に止まりやすい
それぞれ詳しく解説します。
1.クリック単価が低い
1つ目のメリットは、クリック単価が低いことです。ディスプレイ広告の単価はリスティング広告に比べて低く、相場は以下の通りです。
広告 | ディスプレイ広告 | リスティング広告 |
---|---|---|
単価 | 50〜100円 | 80〜1000円 |
リスティング広告の単価が高い理由は、問題が顕在化したユーザーに向けて広告を発信できる広告であるためです。問題が顕在化したユーザーへの広告は競合が多く、単価が高くなりやすいのです。
2.目的によって使い分けられる
2つ目のメリットは、ディスプレイ広告は目的によって使い分けられる点です。広告の目的はサービスや商品の認知拡大もしくは購入が挙げられます。
具体的な運用は以下の通りです。
- 認知の拡大であれば、広告表示回数を増やす設定にする
- サービスや商品の購入の場合、コンバージョン率を重要指標として広告を運用する
3.詳細なターゲティングが可能
ディスプレイ広告は詳細にターゲティングが可能です。リスティング広告では細かい属性は設定できないため、ディスプレイ広告の大きな強みと言えるでしょう。たとえば以下のようにターゲティングが可能です。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 検索に使用したデバイス
- 特定の検索ワードで流入したユーザー
- Webサイトの行動履歴
項目が多く、選択肢がたくさんあるため最初はかなり難しいでしょう。最初は分析や試行錯誤が必要です。しかし、この後説明する「広告の出し方」をしっかりと確認し、分析改善を続けていくことできっと良い効果を得ることができるでしょう。
4.目に止まりやすい
ディスプレイ広告は、目に止まりやすい内容を表示できます。理由はテキストだけでなく、画像や動画を使用でき、ユーザーの注意を引きやすいからです。そのため、まったく知らないサービスでも、インパクトのある動画や画像を用意することで、ユーザーに興味を持ってもらえるチャンスがあります。画像や動画の広告のクオリティーが高ければ、興味を持ってもらうだけでなく、商品やサービスの魅力までも具体的に伝えられます。
ディスプレイ広告のデメリット3つとその対策
ディスプレイ広告の特性上、多くのユーザーにアプローチできる反面、多くの場所に広告が分散するデメリットもあります。当記事では、3つのデメリットと対策法を解説します。
- 広告費が高くなりやすい
- 分析が難しい
- 即効性に欠ける
1. 広告費が高くなりやすい
1つ目のデメリットは、広告費が高くなりやすい点です。多くのサイトに広告を表示させるため、しっかりと設定を行わなければ、広告単価が低くても短い期間で予算を使い切ってしまいます。多くの場所でランダムに表示させるのではなく、適切なターゲティングをするよう心がけましょう。
適切なターゲティング方法としては、どのような人に認知させたいのかをしっかりと定める、「ペルソナ分析」が重要です。ペルソナ分析は以下のシートで可能ですので、広告を設定する前にしっかりとペルソナを決定しましょう。
2. 分析が難しい
ディスプレイ広告の分析は難しく、伸びない原因を特定するのは簡単ではありません。
分析が難しいことはディスプレイ広告に限ったことではありません。しかし実際難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。数値分析は広告を運用する上で避けては通れない要素となります。そんなみなさんは以下の3指標”のみ”意識してみてください。
- インプレッション数
- CTR
- CVR
この3指標のみを意識して改善すれば、しっかりと効果の出る運用となるでしょう。数値分析が苦手な人は、ぜひこのくらい単純に、「3つだけ見ればOK」と考えて運用してみてください。
3. 即効性に欠ける
3つ目のデメリットは、即効性にかける点です。ディスプレイ広告は、潜在層にアプローチするため、商品の購入を考えていない人にも広告を表示させるからです。
ディスプレイ広告は、ブランディング・認知獲得の側面も併せ持つ広告ですので、即効性だけを意識せず長期的な戦略をとっているブランドに最適であるといえます。
ディスプレイ広告の出稿手順を解説
ここまでで、ディスプレイ広告の効果を解説してきました。自社に合う広告であると実感する方はかなり多かったのではないでしょうか。ここからは実際に広告を出稿する手順を紹介していきます。
当記事では、GoogleディスプレイネットワークとYahoo!ディスプレイネットワークの両方の出稿手順を詳しく解説します。ぜひ最後まで読んでください。
Googleディスプレイネットワークを用いる場合
Googleディスプレイネットワークを用いる場合は、出稿は以下の8つのステップでできます。
- Google広告キャンペーンを作成
- 広告キャンペーンの目標設定
- キャンペーンタイプを選択
- サブタイプを選択
- 地域・言語設定
- 入札戦略を設定
- オーディエンスを設定
- 広告を作成する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.Google広告キャンペーンを作成
1つ目のステップはGoogle広告キャンペーンの作成です。Google広告管理画面を立ち上げて、新しい広告を作成します。事前にコンバージョントラッキングを設定することがおすすめです。理由は、広告の費用対効果の改善やユーザーエクスペリエンス(UX)を定期的に改善できるからです。
2.広告キャンペーンの目標設定
次のステップは、広告キャンペーンの目標設定です。選択肢として以下が表示されます。
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- ブランド認知度とリーチ
- 目的を指定せずにキャンペーンを作成する
コンバージョントラッキングを使用しているかどうかで選択が変わります。使用している場合は、「販売促進」または「見込み客の獲得」を選択しましょう。使用していない場合は、後々に便利になるため、「ウェブサイトのトラフィック」がおすすめです。どちらかを選択したら「続行」をクリックしましょう。
3.キャンペーンタイプを選択
ディスプレイ広告を行うために、「ディスプレイ」キャンペーンタイプを選択します。
4.サブタイプを選択
4つ目はサブタイプの選択です。「標準キャンペーン」か「スマートキャンペーン」を選択できます。独自のターゲティングやマーケティング戦略がある方は、標準ディスプレイキャンペーンがおすすめです。一方でスマートディスプレイキャンペーンは予算内で効率よく成果を出すために役に立つキャンペーンです。ただしスマートディスプレイキャンペーンを利用するには、以下のどちらかを満たさなければなりません。
- Googleディスプレイネットワークで50件以上のコンバージョン
- 検索ネットワークで100件以上のコンバージョン
そのためディスプレイ広告を初めて使う方は、「標準キャンペーン」を選択しましょう。
5.地域・言語設定
自社の広告を海外に出稿しない限り、標準設定のままで大丈夫です。
6.入札戦略を設定
6つ目は入札戦略の設定です。コンバージョントラッキングを使用しているかどうかで、設定方法が違います。使用している場合はスマート入札戦略がおすすめで、理由は以下の通りです。
- コンバージョン最大化
- コンバージョン値の最大化
- 標準機能のターゲットCPA
また目標コンバージョンはあとから任意で変更できるため、正確に設定しなくても大丈夫です。
7.オーディエンスを設定
次のステップはオーディエンスの設定です。誰に対して広告を打ち出すかを決める作業のため、重要なステップです。オーディエンスに関しては以下の項目から選択できます。
- ユーザー属性
- アフィニティカテゴリ
- カスタムオーディエンス
- ライフイベント
- リマーケティング
- 類似ユーザー
その中でもリマーケティングが有効です。理由は一度自社のサイトを訪れたユーザーを追跡して、広告を表示できるからです。
8.広告を作成する
最後に広告を作成します。動画や広告見出し、URL、画像、ロゴ、説明文を設定したらキャンペーンの審査です。
Yahoo!ディスプレイネットワークを用いる場合
Yahoo!ディスプレイネットワークを用いる場合は、出稿は以下の4つのステップでできます。
- 広告グループのタイプを選択する
- 広告のタイプを選択
- 広告を追加
- 広告を作成する
それぞれ画像付きで詳しく解説しているので、ぜひ最後まで読んでください。
1.広告グループのタイプを選択する
最初のステップは、広告グループのタイプの選択です。広告管理ツールを開き、キャンペーンの一覧から、作成する広告のキャンペーンを選択。キャンペーンを選んだ後、広告グループを選び、「広告作成」ボタンを押しましょう。
2.広告のタイプを選択
「広告作成」ボタンを押すと、リストから広告タイプを選べます。
- バナー広告
- レスポンシブ広告
- テキスト広告
広告を選択したら、必要項目に入力をします。広告タイプ別に必要項目が違うため、詳細はYahoo!広告ヘルプの「広告タイプによる入力項目」を参照してください。
3.広告を追加
3つ目は広告の追加です。広告に広告名やURL、タイトル、説明文などを入れて、「広告を追加」ボタンを押します。
4.広告を作成する
「広告を追加」ボタンを押せば、「広告を作成する」の画面に追加した広告が表示されます。内容を確認して問題がなければ「作成」ボタンを押して完了です。
また、ディスプレイ広告については以下の公式動画をぜひ参照してください。
まとめ
今回はディスプレイ広告の特徴や費用、メリット・デメリットなどを他の広告と比較しながら解説しました。ディスプレイ広告のメリットとデメリットは以下の通りです。
- クリック単価が低い
- 目的によって使い分けられる(購入とサービス認知)
- 詳細なターゲティングが可能
- ユーザー目に止まりやすい
- リスティング広告と比べて広告費が高くなりやすい
- 成果が出ない理由の分析が難しい
- 即効性に欠ける
ディスプレイ広告は多くのメリットがありますが、成果がすぐには出ないです。しかし正しい広告運用をすれば必ず成果が出るため、試行錯誤しながら分析を続けましょう。
今後ディスプレイ広告の活用を検討されている方は、当記事をぜひ参考にしてみてください。
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