SNSのライブ配信といえば、個人の配信者が利用しているイメージがありますが、企業アカウントでも有効活用することができます。
実際に企業のライブ配信では商品の販売、見込み客の教育から、採用情報の発信まで幅広く活用されています。
うまくライブ配信を活用できている企業もある一方で、以下のような悩みを抱えている企業担当者の方もいらっしゃるでしょう。
- ライブ配信を使うことは戦略として正しいのだろうか
- ライブ配信をするメリットがあるのだろうか
- ライブ配信をする具体的な活用タイミングがわからない
本記事では目的に応じたライブ配信のやり方や自社に適するSNSの選択など実際にライブ配信ができるようになる情報をお伝えします。
本記事の内容をマスターし、まだ企業が少ないライブ配信業界で大きな利益を手に入れましょう。
SNSライブ配信とは
SNSライブ配信とは、各SNSが提供するライブ配信機能のことです。SNSライブ配信はリアルタイムで視聴者に情報の発信をできる点でSNSの投稿とは異なります。
SNSライブ配信では、通常の投稿と組み合わせることがポイントです。
通常の投稿でライブ配信前に事前に情報を提供することでライブ配信への興味を駆り立てたり、ライブ配信後に伝えきれなかった情報の補足をすることができます。
今回は以下で示す企業がライブ配信をする際におすすめの主要SNSを3つ紹介します
- YouTubeライブ
- インスタライブ
- TikTokライブ
それぞれの特徴や機能についてご紹介します。
YouTube
YouTubeライブではチャンネルの登録者向けに情報を発信し、既存の顧客に刺さるような内容を提供する必要があります。他のSNSライブ配信に比べて、より多くの情報を長時間配信で提供したい場合はYouTubeライブを活用するのがおすすめです。YouTubeライブのコツや成功の手順については、「YouTubeライブ配信を企業向けに解説!活用シーンや有用性を紹介」をご覧ください。
インスタライブ
インスタライブはYouTubeライブと同様に、既にアカウントをフォローしている顧客向けに情報発信をします。インスタライブを活用するべき企業は、すでにインスタ運用に力を入れており、よりアカウントを成長させたい企業でしょう。
Instagramを伸ばすためにはInstagramが提供する機能をより多く活用している必要があります。そのため、インスタライブを活用すればアカウントをより成長させるチャンスが生まれるのです。ライブ配信の目的がインスタを伸ばすための配信となるため気軽に頻度を増やした配信を行うとよいでしょう。インスタライブのコツについては、「企業がインスタライブを絶対すべき理由とは?メリットと成果の出るやり方を月商1億のチームが徹底解説」で徹底解説しています。
TikTokライブ配信
TikTokライブは上記2つのライブ配信と違い、新規顧客向けに行います。TikTokではトップのレコメンド画面で興味のある動画やライブ配信が表示されるため、新規顧客が興味を持つようなライブ配信の構成を作りこむとよいでしょう。
TikTokライブは開催すれば開催しただけ新規顧客を獲得できるチャンスがあります。一方で、掴んだ新規顧客を離さないようなオーガニックの投稿にも力を入れる必要があるので注意が必要です。
SNSライブ配信の活用目的
企業がライブ配信で失敗しないために重要なのは、はっきりとした運用目的を定めることです。
ライブ配信をする目的は大きく分けて以下のように4つあります。
- ファン化
- 教育
- 販売
- 採用
ライブ配信ではSNSマーケティングで重要な4ステップループのうち、「ファン化」「教育」「販売」の3つを行うことができます。ライブ配信で成功するためには4ステップルールについてまず学んでおくとよいでしょう。「SNSマーケティング戦略決定版!4ステップループが運用成功の鍵」をご覧ください。
ファン化
ライブ配信は顧客を比較的ファン化させやすい手法です。リアルタイムで投稿者側とユーザーがやり取りをしたり、悩みを解決することができるので通常の投稿と比べてより親近感を持ってもらいやすいのが特徴です。ユーザーとの親密度を上げたい企業はファン化させることを目的にライブ配信を行いましょう。ファン化が目的のライブ配信の場合、ライブ配信への参加ハードルを下げるような投稿をしておくとファンになる見込み客が増えるでしょう。
教育
ライブ配信では教育をすることも可能です。具体的には、ライブ配信上でオンラインセミナーをするイメージでしょう。セミナーの中では自社商品の優れている点や必要性を顧客に感じてもらえるように構成を作りましょう。商品への信頼や他社商品と比較した際の強みを提示できるとより効果が出ます。
また、教育をするためには、前のフェーズで見込み客の集客、ファン化をしっかりとしておかなければ思いのほか人が集まらないといった思わしくない結果になりがちです。SNS集客についてしっかりと押さえたうえで教育を行いましょう。SNS集客については「【2022年最新版】SNS集客で失敗しないための運用ポイント」で確認してください。
販売
自社商品の販売もライブ配信内で行うことが可能です。SNSライブ配信中の販売は双方向のやり取りが可能なため、疑問を解決したうえで商品を購入できます。それに加え、他のユーザーが抱える疑問とその答えもリアルタイムで見ることができるのでより不安を取り払った上での商品購入ができるため人気が高まっています。
ライブ配信の事例-NIKE
ライブ配信の事例で画期的な事例を1つ紹介します。ABC-MARTの店舗でNIKEの商品を紹介するライブ配信では、ライブ配信画面に「触れる商品情報」を表示する仕組みが使われました。このライブ配信ではTigLIVEというライブ配信システムと商品のデータベースを連携しました。TigLIVEによって、ライブ配信中に視聴者の気になる商品情報を画面上に表示できるようになっています。そのため、視聴者のコメントを見ながら押し売り感のない自然な商品の購入ができている事例です。ライブ配信については「ライブコマースとは何?中国と日本の市場規模や成功事例・アプリ5つも紹介」で紹介しています。
採用
SNSマーケティングとは違う観点になりますが、採用活動にライブ配信を行うことも可能です。これまで、規模の大きくない企業は遠方での説明会や複数回の説明会の開催は会場の確保や出張費の関係で難しいケースもありました。
ですが、ライブ配信は無料で開催できるためコスト削減をしつつ参加する側もオンラインのため参加ハードルが低いというメリットがあります。
SNSライブ配信をするメリット
近年、これまでセミナーや説明会をライブ配信に切り替える企業が急増しています。
多くの企業がライブ配信をするようになった背景にはオンラインが望まれていること以外にも以下のようなメリットがあるからです。
- ファン化に効果的
- 開催コストが低い
- 多人数が参加可能
- 参加ハードルが低い
- 双方向のコミュニケーションが取りやすい
順を追って解説します。
ファン化に効果的
ライブ配信をする目的でも紹介しましたが、SNSライブ配信はファン化に期待できます。ファン化させなければ4ステップループの次のステップである、「教育」「販売」につなげることができないためSNS運用の最終目的である売上の向上ができません。
そのため、4ステップループを回すためのファン化のためにSNSライブ配信を始めるといいでしょう。
開催コストが低い
SNSライブ配信で使うプラットフォームは無料で利用可能です。また、オフライン開催の時に必要だった会場費用や出張費、レジュメなどのコストカットが可能です。それに加え、会場確保の連絡などの人的リソースも削減できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ライブ配信に使うのもPCやモバイル端末があれば問題ないので、受けられる恩恵に比べてそのコストは非常に低いと言えます。
多人数が参加可能
オフライン開催のイベント、セミナーの場合は会場の大きさに応じて収容人数を気にしなければなりません。そのため、参加のための人数管理の業務が発生したり、落選してしまった人から不満がこぼれることもあるでしょう。
SNSライブ配信の場合は、かなりの大人数が参加することができるので抽選落ちが発生することもあまりなくイベントへの参加という観点では満足度の高い運営が可能です。
参加ハードルが低い
基本的には、リンクを踏んだりアカウントのトップページから気軽に参加できます。企業についてあまり知らない層でもリンクを踏むだけなら簡単に参加してもらえるでしょう。オフライン開催の場合は、わざわざ予約を取ったり会場に足を運ぶ必要があるので新規顧客にとっては面倒な可能性もあります。
双方向のコミュニケーションが取りやすい
SNSライブ配信ではチャット機能などで気軽にコミュニケーションが取れます。オフラインイベントの場合は、挙手をしたりと注目が集まってしまい気軽に質問できなかった結果、満足できないままイベントが終わってしまうことがあります。
ライブ配信なら質問者は顔を出さずに質問できるので気軽に質問し、ニーズも解決できるので満足度の高いイベントとなるでしょう。
SNSライブ配信を成功させるコツ
SNSライブ配信を活用し、しっかりと成果を出すためには運用のコツは必ず把握しておきたいポイントです。
以下で示すコツを順番に押さえていかなければ自社で設定した目的達成から遠のいてしまいます。
- ターゲットと目的を明確にする
- 事前の準備をしっかりと行う
- 配信内容は詳細に決めておく
- 配信後のサポートをしっかりと行う
ライブ配信のターゲットと目的を明確にする
まず初めに、SNSライブ配信をする際のターゲットと目的を明確にしましょう。
SNSマーケティングにおいては必ず決定しなければいけない項目ですので具体的なターゲットと目的を決め、自社で共有しておきましょう。
ターゲットは自社サービスと目的から設定します。目的は先述した「ファン化」「教育」「販売」「採用」から選びましょう。
ターゲットと目的が明確になると、ライブ配信前に提供する情報やライブ配信中に提供する情報も明確になるので必ず決定しましょう。
事前の準備をしっかりと行う
ライブ配信の目的に応じて、事前の準備を徹底的に行いましょう。教育が目的の場合、その前のフェーズの「集客」「ファン化」のステップを踏んでもらえていないと思った成果をあげられないでしょう。
仮に集客が上手くいった場合でもファン化が完了していなければしっかりと情報を聞いてもらえないため販売に結び付かないという結果になります。
SNSライブ配信に見込み客が集まるような集客、「この情報が欲しい!」と思ってもらえるようなファン化を事前に必ず行いましょう。
配信内容は詳細に決めておく
ライブ配信でもしっかりと構成を決め、その通りに進行するべきです。
例えば、初めてライブ配信に参加する人でも楽しめるようにコメント欄にそのライブ配信の題材を固定しておき、どんなライブ配信か理解しやすくしたり、題材にまつわるコメントを促したりするといいでしょう。
視聴者からのニーズに確実に答えられるように題材に応じて必ず質問を想定した商品への理解をしておかなければなりません。
また、企業のライブ配信で注意したいのは発言内容です。不適切な発言を避け企業コンプライアンスを守りましょう。
配信後のサポートをしっかりと行う
SNSライブ配信は配信が終わったら、そこで終わりではありません。ライブ配信後にもユーザーの満足度を上げるためにサポートを行いましょう。
アーカイブを公開する
ライブ配信のアーカイブ(見逃し配信)を公開することで見返したいユーザーや参加したかったが参加できなかったユーザーのニーズを満たせます。
ですが、YouTubeの場合は投稿の統一感が失われることもあるので一概にアーカイブを公開した方がいいとは言えません。アーカイブを公開しない場合でも、ライブ配信に希少性が生まれるので自社の戦略に応じてアーカイブを公開するかどうかを決定しましょう
アフターサポートを行う
ライブ配信に参加してよかったと思ってもらえるような発信や、参加者への特別なプレゼントは満足度を上げる非常に効果的な手法です。
また、商品のオファーを提示することで参加者がとってほしい次の行動に進みやすくなります。
商品のオファーについては「オファーをマーケティングに活用する方法と改善ポイント」で解説します。
まとめ
企業がSNSライブ配信を取り入れるメリットやその目的、運用のコツについてご紹介しました。
本記事をまとめると以下のようになります。
- SNSライブ配信におすすめの主要プラットフォームは3つ
- YouTubeライブ
- インスタライブ
- TikTokライブ
- ライブ配信の活用目的は「ファン化」「教育」「販売」「採用」
- ライブ配信をするメリットは5つ
- ファン化させやすい
- 開催コストが低い
- 大人数が参加可能
- 参加ハードルが低い
- 双方向のコミュニケーションが取りやすい
- ライブ配信を成功させる手順
- ターゲットと目的を明確にする
- 事前の準備をしっかりと行う
- 配信後にしっかりとサポートを行う
適切な運用方法でライブ配信から得られる恩恵を最大化しましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] 新規顧客の獲得はほぼできませんので、TikTok独自の強みといえるでしょう。その他包括的なSNSライブの知識は「企業のSNSライブ配信は効果がある?事例とコツを紹介」で解説しています。 […]
[…] また、SNSライブの包括的な詳しいやり方は「企業のSNSライブ配信は効果がある?事例とコツを紹介」をご覧ください。 […]