
【2025年10月最新版】GPT-5 Proとは?特徴や活用方法、活用するべきかまで徹底解説
2025年、OpenAIが公開した「GPT-5 Pro」は、これまでの生成AIの常識を覆す“研究レベルの知性”を持つモデルとして注目を集めています。
従来のInstantやThinkingモデルとは一線を画し、正確さ・一貫性・深い推論を重視した高精度AI。
一方で、回答までに数分かかるほどの「超思考型」でもあります。
本記事では、GPT-5 Proの特徴や性能、実際の使用感、活用事例、そして注意すべき点まで、徹底的に解説します。
目次
GPT-5 Proとは?
Gpt-5 ProとはChatGPTのProモデルのことです。
GPTのProプラン(月額200ドル)か、Businessプラン(月額30ドル)※制限あり
に加入することで使用することができます。
無料版やPlus(月額20ドル)では使用することができないので注意が必要です。
GPT-5 Proを使う上で知っておきたい特徴
Proはthinkingの回答から時間とリソースを使ってさらに精度(確からしさ)・一貫性・深い推論を追い求めた上位互換とも言えるモデルです。
ただし、レイテンシー(回答までの待ち時間)が大幅に伸びているのがネックと言えるでしょう。
この記事を書くために実際に使用してみた結果、同じ質問に対し回答まで最長21分かかり、GPT-5 通常版(Instant)と比較した場合約50倍の時間がかかりました。

ベンチマークと呼ばれるAIの性能テストでは
AIME 2025(数学競技のテスト)で94.6%を記録し、コーディング能力を評価するSWE-benchで74.9%、Aider-Polyglot で88%を記録。マルチモーダル理解では MMMU で84.2%、医療分野では HealthBench Hard で46.2%をマークしている。いずれも新たな最高水準と言われるSOTAを達成しています。
参考元:OpenAI公式より「GPT-5 が登場」
つまり、GPT-5 Proは数々の記録を打ち立てた今最もハイスペックな生成AIの一つです。
GPT-5 Proはなぜすごいのかー”研究レベルのインテリジェンス”とは?
OpenAIによるとGPT-5 Proは研究レベルのインテリジェンスとされています。
では、どのような部分が研究レベルのインテリジェンスなのでしょうか?

GPT-5 Proは速さよりも確からしさ・一貫性・深い推論という3つの大きな特徴があります。時間をかけて、色々な可能性を考えるので結果精度が上がるという仕組みです。
つまり、イメージするなら
何度もGPTに同じ質問を繰り返し、でた答えを再検討した後に出力する。
というプロセスを効率よくやっているモデルです。
そのため、様々な切り口から一つの問いを考えることができ、論理的にこれまでにない新しいアイディアを生み出すことも可能となりました。
GPT-5 Proが研究レベルという事例として、数学問題を証明する際に、既存の証明をより効率的に行う方法を出力できたという事例があります。
【検証】GPT-5 Instant ThinkingとProの違いとは?
thinkingとProはともに推論モデルと呼ばれるモデルです。
そして、Proはthinkingより時間をかけてたくさん考えるモデルと言われています。
どちらも段階的思考を内部で実行しており、その過程で再試行と検証を行うことで出力の精度を上げているのが特徴です。
今回は、GPT-5に搭載されている3つのモデルを比較していきたいと思います。
GPT-5 ThinkingとProの違いについて
それでは実際にシンキングとプロに回答させてみましょう。
送ったプロンプトは「GPT-5 Proに自社メディアの戦略策定してもらったんだけど非常に良かったんだなんでだと思う? 解説してほしい」です。
そして、実際の回答が次の画像です。

この画像からもわかるように全く同じ質問でもThinkingの場合29秒、Proの場合4分29秒かかりました。つまり約12倍もの時間がかかっています。
そして、アウトプットも文章をよく読むと全く違います。
例えば、Thinkingには出てこなかった単語がPro出てきたりと、回答を作る上での軸となる発想の数が多いという印象を持ちました。
Thinkingに対して何度も考え直し、別案も作り、チェックして、参考文献まで当たる”を足すのがProのイメージです。
かかった時間と出力からわかるようにスピードより正しさと一貫性を重視しているのがproの特徴です。
Instantに同じ質問をするとどうなるのか
Instant(Fast)では、深い推論をすることなく回答を出すため内容が浅くなりがちです。
しかし、既存の情報が出揃っている場面では活躍するという特徴があります。
次の画像はThinkingとProに回答してもらった質問と全く同じ内容をGPT-5 Instantに送った時の回答です。

インスタントの方が深く推論しない分情報は薄いですが、シンプルでわかりやすく読みやすい回答が返ってきました。
ただし、ThinkingとProと比較してハルシネーションを起こす(嘘をつく)可能性が高いので注意が必要です。
情報をざっくりスキミングしたいくらいのニーズであればProやThinkingよりもInstantの方が向いてそうです。
GPT-5 Proを使うためには?
ログインorサインアップ
まずはこちらのページからログインもしくはサインアップをしましょう
Proプラン or ビジネスプランに加入
サイドバーか画面中央のPlusを始めるから課金の画面にいき
PersonalのProかBusinessを選択して決済を行いましょう。
モデル選択タブひらく
決済が完了したら左上のChatGPT5 と書かれている部分をタップし
モデルの中からプロを選択しましょう。
GPT-5 Proの活用事例
Proモデルの特徴として次のようなものがあります。
- ハルシネーションが少ない
- 構造的に情報を処理できる
- 文脈保持能力が高く処理できる情報の量が多い
- 発散と収束を繰り返すので多様な視点から情報を精査できる
そのため、プログラミングの領域や、戦略策定といった領域に強いという特徴があります。
会計アプリの要件定義をさせてみた
プロはコーディングの精度も非常に高いとのことだったのですが、
それよりも、構造的文書出力が安定しており、専門語彙の使い方も正確かつ関連技術の横断的整理ができるらしいです。
なので、せっかくならと思い、今回はアプリ開発の要件定義をやってもらいました。

今回はfreeeみたいな確定申告に使えそうなアプリを作って欲しい。
という内容で依頼をしたのですが、こんなざっくりした依頼からでも初稿の段階からかなり細かく設計されていました。
プログラミングをわかっていない人でも自分の欲しいアプリが決まれば要件定義できるようになり、AIでコーディングすることでアプリを作ることができる時代になったと言えるでしょう。
弊社ブログメディア”アドネスラボ”を分析させてみた
GPT-5 Proは戦略策定などの抽象度の高い思考が非常に得意だと聞いたので、
弊社ブログメディアであるアドネスラボについて分析・戦略策定をしてもらいました。
その時のプロンプトはこちら、
”今後長期的にサイトを伸ばしていくための運用戦略を考えてほしい”

他のモデルに同じ質問をするとそれっぽいことを並べただけの中身がスカスカな戦略が出力されるのですが、GPT-5 Proに同じ質問をすると、内容が詰まった非常にいい回答を得られました。
様々な要素を評価して回答を得られるという部分が特筆するべきポイントかなと思います。
GPT-5 Proを使うべきではないシーン
ChatGPT-5 Proは時間をかけて推論を行ったのちに回答を出してくれるため、基本的に精度よくいい回答を得られる傾向があります。
しかし、そんなProにも弱点はあります。
GPT-5 Proには次の表のような弱点があります。
観点 | Proが苦手 | Pro以外では |
フォーマット厳密性 | 出力がリッチすぎて崩れる | 単純なので崩れにくい(が精度低) |
最新情報の統合 | 平均化しすぎて古い情報混入 | そもそも情報理解が浅い |
スピード重視の単純作業 | やや過剰思考 | 軽量モデルが向く |
それではそれぞれ実際の使用シーンに合わせて確認していきましょう。
フォーマット緻密性
Proであっても話を進めている途中で指定したフォーマットから崩れてしまう場合があります。
これは回答を出力する際に人間にわかりやすくしようと人に注釈、評価、想像の補完的な情報を勝手に付け加えてしまうためです。
具体的には、事実だけを伝えたいのに、事実対してや憶測や評価を入れてしまったり、SNSの投稿にハッシュタグやCTAを勝手に付け加えたりがあげられます。
最新情報の統合
最新情報を整理することもProは苦手です。
画像解釈できるのでカラオケの料金みたいな画像で料金が書いてある場合も理解できそうだと思って実際に使ってみたのですが、使い物になりませんでした。

理由は古い情報と新しい情報の判断ができないからです。何度か使ってみると、次のような特徴がありました。
- 料金改定される前の金額と、改定後の金額の判断ができない
- 時系列を理解できない
- 閉店されたお店の情報を引っ張ってきてしまう
- 期間限定キャンペーンの情報を持ってきてしまう
この理由は、GPT-5の情報を「整合性を取るように」まとめようとするという特徴にあります。そのため、2023年のレビューや2024年ブログなど様々なデータを引っ張ってきてくれるのですが、その結果のものと大幅にズレてしまいました。
つまり、最新の情報を扱うのは苦手だという特徴があります。
単純なタスク(要約・翻訳など)
ChatGPT-5 Proは要約や単純なタスクにも向いていません。
理由はProは文体まで調整して冗長になることがあったり、様々な可能性を考え、補足を追加したりなどプラスアルファの情報を付け加えてしまう特徴があるからです。
それだけではなく、通常版の方が早く、シンプルに回答をしてくれます。
そのため、要約や翻訳と言ったタスクはわざわざProにお願いする必要がないでしょう。
課金するべき人はどんな人?
では実際にGPT-5 Proを使用するべき人はどのような人なのでしょうか?
ここでは課金するべき人と必要なさそうな人に分けて解説していきます。
Proを使うために課金するのに向いている人
実際にGPT-5 Proを使うのに向いている人はどのような人なのでしょうか?
- 戦略立案・研究・分析など“深い思考”を必要とする人
マーケティング戦略や新規事業の立ち上げ、研究レポートの作成など、多角的な視点を論理的にまとめ上げる一貫性が求められる頭脳労働に最適です。 - プログラミングや技術設計に携わるエンジニア・PM
構造的な思考力に強みがあるので詳細が決まっていない状態からアーキテクチャ設計や仕様書ドラフトなどの詳細を詰め、作成することが非常に得意です。抽象的な情報から「なぜその設計にしたのか」を論論的に説明できる出力が得られます。 - コンテンツ企画・リサーチを担うマーケターや編集者
単なる要約や生成ではなく、裏付け・背景・複数の視点を織り込んだ深い分析を求める場合も非常に得意です。
Proモデルの「多層思考」が役立ちます。
向いていない人
ではプロの課金に向いていない人はどのような人なのでしょうか。
向いていないのは次のような3つのタスクがメインの人です。
- 翻訳・要約・メール返信などの単純タスク中心の人
- 営業現場・SNS運用と言ったスピード重視の現場
※ただしSNS運用の戦略を考える時はProを使用してもいいかもしれません - 最新情報の調査やニュース記事生成など、リアルタイム性が重要な業務
GPT-5 Proに関するよくある質問
ここでは、GPT-5 Proに関するよくある質問に回答していきます。
もしこれからProプランに課金するか、Businessプランを使うか課金しないかに悩んでいるのであれば参考になるはずです。
GPT-5 Proって無料で使えるの?
結論、GPT-5 Proを無料で使うことはできません。Proプランに加入することで使用できます。
GPTの個人向けプランには無料、Plus、Proの3パターンがあります。
ちなみに、チーム向けプランのBusinessプランに加入すれば利用可能です。
ビジネスプランの場合、利用回数に制限があるので注意しましょう。
GPT-5の各モデル(Pro,thinking,instant)ごとの違い
GPT-5は大きく分けてInstant,,Thinking,Proの3つのモデルに分類することができます。
OpenAIによるとこの3つのモデルは以下のような使い分け方が示唆されています
- Instantモード は、単純・直接的なタスクや、回答速度を優先したい場合用。
- Thinking モード は、より慎重な推論を必要とする課題(複雑な分析、複数ステップのロジック)用。
ちなみに、Thinking モードには 思考時間 を選べるオプションがあり軽め/標準/じっくり/深めの4つのモードで切り替えられるようになっています - Pro モード は、さらに高度な精度と信頼性を求める専門用途・研究用途用。
ちなみに、Autoを選択するとユーザ自身がモードを選択可能で、かつ GPT-5 システムが自動で適切なモードを選ぶよう “router(ルーター)” が内部で働き3つのモデルの中から最適なものを選択してくれます。
GPT-5 Proに利用制限はあるのか
GPT-5 Proの利用制限プランによって異なります。
Proプランには制限はありません。(2025年10月15日現在)
ただし、BusinessプランにはGPT Proの利用に月15回の制限があるので注意が必要です。
参考元:https://help.openai.com/en/articles/11909943-gpt-5-in-chatgpt#h_4699b07591
GPT-5 Proをうまく使って業務効率化を目指そう
GPT-5 Proは、AIの思考力を極限まで引き上げた現在のAIの中の最上位モデルです。
一瞬で回答を作る瞬発力よりも正確性や深い洞察を求める人にとって、研究・戦略立案・設計ドキュメント作成など、知的業務を大幅に支援してくれるツールになるでしょう。
ただし、回答に時間がかかる点や最新情報の統合が苦手な点を踏まえ、「どのモデルを使うべきか」をタスクごとに見極めることが重要です。
スピードが求められる場面ではInstant、求められる思考の深さに合わせてthinking、Proを使い分けていきましょう。